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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
六月二十五日
六月二十六日
六月二十五日(月曜)
昨日のつづきで大変天気がいい。朝珍らしく早く起きて、午前中中西屋へ行く。『夢学』、『哲学綱要』を買って来る。大学の公開講義の聴講願書を出して置く。村上善義が結婚したので、時計を三越から送らせる。なかなか落付いたいいものである。
夜になってから、少しずつ又降り出して来た。今お雪が家に行って居るから駄目だけれども、大抵六月の三十日頃に白浜に立てるだろうと思う。丁度土曜日だからいい、大変に期待して居るので、さぞいいものを得て来られそうな気がする。
六月二十六日(火曜)
珍らしく天気が晴れて、まるで気違いのような暑さがおそって来た。今までかなり涼しくて居たので、到底たまらないような暑苦しさで、昼間はさほどよく何も出来なかった。「哲学綱要」を読む。実に著者の頭のいいことがよく分る。同時によんで居るヴントの心理学などは、何だか大変明快でないように――勿論内容は言い廻し方の巧劣によって定むべきではあるまいが――思われる。斯う云うものを読むと我々の頭が論理的でないことをしみじみと感じさせられる。これ丈のものをよみこなすにも、まだまだ予備知識の僅少なことを情なく思う。