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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
一月七日
一月十四日
一月七日
朝起きると先ぐ、岡田信一郎氏来訪、久し振りで御目にかかって見ると、いままでよりは、やせたように見える。割に落付いた話になって、今までより彼の方をよく理解することが出来た。夕方になって、佐藤氏も来られ、夜飯頃倉知氏が見えると、話はすっかり陶器の方へ入って岡田さんは、酒をのんでは、メランコリーな表情をして居た。二人引きの俥で、来て得々として居られるKは単純でいい。
一月十四日
左団次の会で、明治座へ行って見る。もうよっぽど前に、市村座へ行った限りなので、かなり期待して居たが、どうしても道具立てから何から「芝居」と云う気がして全然没頭して涙などこぼせなかったのは、どう云うわけだったのか。自分にも分らないが、同じ見るなら、舞台の上の人間と一緒に泣き笑いしたい、出来た方が快い。
柿右衛門は、彼の人格――勿論私にだってよくは分ろう筈もないが――を極くコンベンショナルなものにした。ああしなければ芝居にはならないけれども、若し柿右衛門が真の芸術家であったのなら、有田屋を潰してやろうために、赤絵を発見したのではない。芝居として成功したかどうかは私には分らない。