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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
七月二十二日
七月二十三日
父上が思いがけず、午前中に御帰りなさる。「そが」の問題がますます混乱して来る。T子爵が高利に印を押したので、今月二十八日までに、二ヵ月の利子二千八百円と、元金一万五千を返さなければならないと云って、大騒ぎである。F子さんが、まるで興奮しきった様子で来る。どうも言葉の様子が可笑しいから、T氏は印を押したことを知らないのではないか、若し知って居るとすれば、一箇の紳士としてあまり単純すぎた話である。夜母上が、いらっしゃる。母様も、妙にエキサイトして、種々な小さい問題で、現代の物質的な生活、――貧困になりそうな者と見れば、親友の誓をしたものまで、利害関係によって離れると云って被居っしゃる。けれども、それは一面の真理である。
七月二十三日(月曜)
千葉先生のところから、「禰宜様宮田」に対しての評を下さる。あれ位解って下さる方が、読者の中に幾人あることか。
銀座へ菓子などを買いに行く。須田町で乗りかえた品川行きには、仕事がえりの土方が私のとなり一つへだててのって居た。すると、一人の婦人が、その空席へ来たがやがて、少し左があくと、大いそぎでころがるように、そちらへうつった。