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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

騎士の礼儀

「さあ、碧海島へ行こう! あすこには、フーラー博士がまっているのだ。」

碧海島へ、碧海島へ、わが『富士』は、いよいよ最後の戦場へ急ぐのである。

騎士の礼儀

南へのがれたフーラー博士は、やがて八丈島の向うに、碧海島の島かげを見つけた。

黒々と海中にそびえ立つ絶壁の裾に、白波が花とくだけ散っている。

「アーサー、ごらんよ。あれが碧海島だよ。」

博士は、革手袋をはめた手で、下を指さした。

「昭和遊撃隊の根拠地ですね。」

「そうだ。見ていてごらん。今にあの絶壁の向うに、大きな入江があらわれるから……」

『荒鷲』第十三号機は、三百キロの速力で、見る見る碧海島のま上に達した。

下をのぞくと、千古の神秘をひそめた碧海湾の波が、深い深い緑色をたたえている。細長い水道の近くに、ぽつんと見える黒い点は、狼岩であろう。

槍岳洞窟や、富士洞窟は、山の麓にかくれて、空からは見えない。

「お父さん、不思議ですね。昭和遊撃隊は、影も形も見えないじゃありませんか。」

アーサー少年がいぶかしがるように、碧海湾は、眠ったようにしずまりかえって、飛魚の姿さえないのだ。

「じゃ、もっと降りて見よう。