轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
花輪が踏みくだかれて、けばけばしい造花を散らす。
森新之助は、狂気のようになって、バケツの水を運んでいる。
「畜生、……畜生」
と、歯ぎしりしている。
金五郎も、手伝った。
「こんなことまで、しやがるとは思わんじゃった」
新之助は憤怒の形相で喚いた。
栗田銀五の一味で、なにか悪だくみをしていることは知っていたけれども、舞台を崩壊させるなどとは、想像を絶したことであった。厳重に警戒はしていたのに、まったく、見当が外れていたのである。舞台装置をする熟練した道具方は、組みたてたセットの急所を知っている。どこの釘、楔、鎹、或いは、結び綱をとけば、道具がくずれるか、やろうと思えば、どんなことでも出来る。観音堂は吊り道具になっていたらしい。吊り綱が切られたため、一瞬にして落下した模様だ。計画的であることは明瞭だった。
新之助は、お堂がくずれ落ちた瞬間に、はじめて、それを気づいたのである。
(どいつが、やったのか?)
狂人のように、消火に努めながらも、新之助の頭には、小屋の裏方の顔が、次々に、浮かんで消えた。
(あいつかも知れん?)
一つの顔を思い浮かべて、眼を光らした。