轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
海員組合が仲仕ストのスキャップになるわけにもいかんです。三時になったら、鉦をたたきますから、どうぞ、それを合図に、引きあげて下さい」
金五郎は、気あい抜けがした。てっきり、共働組が、またも、友田の命令で、裏切ったと信じきっていたので、しばらくは、ぽかんとなるような気持だった。金五郎の時計は、ちょうど一時間、進んでいたらしい。合わせるとき、うっかりしていて、まちがったものであろう。
「玉井さん、心配せんでも、ええですよ。友田の親分から――三時には、まちがいなしに、引きあげれ。……そういう命令が来とりますけ」
高司清市のその言葉を聞いて、はじめて、金五郎は、安堵した。よろこびが、おさえきれず、
「久しぶりで、ウインチを使うてみるかなあ。高司君、ええでしょ?」
「ゴンゾの本性、あらわしましたな」
悪気でなく、そういって、笑いながら、承諾した。
金五郎は、ウインチ機械のところに来て、仲仕と交替した。
「へえエ、小頭組合長のウインチ番で、仕事やるのか」
仲仕たちも、笑った。新しい気合が出た。
金五郎は、ハンドルを握って、たくみに、ウインチを使った。ゴト、ゴト、という音とともに、もうもうと、まっ白い蒸気がふきあがる。