轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
春雪写山行「旅」1940(昭和15)年4月<br>黒部川峡谷の話「山岳 第十二年第一号」1918(大正7)年2月<br>枯木の美と怪「国立公園」1952(昭和27)年3月<br>雪山と廃道「山 二巻二号」1935(昭和10)年2月<br>七面山冬ごもりの記「山小屋」1947(昭和22)年<br>黒部川初遡行の追憶「山と渓谷」1939(昭和14)年7月<br>大雪山あれこれ「国立公園」1955(昭和30)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 页
残んの雪衾をはねのけて起き上ると、まず、長い重圧で硬直している肢体を、身にしみじみと温かい陽光に、やわらげほぐし、しどけなく寝みだれたもつれ髪を、南風に櫛けずり、雪消の真清水を思い切り啜って、全身を養い、すがすがしい大気を胸いっぱいに吸い込んで、葉緑素を染めかえ……さて前年から用意しておいた若芽を、天心さして萠え立たせ、雌花、雄花をつつましやかに咲きそろわせ、山風に香りも高く、金の花粉をまき散らし、松毬を累々と実らせ、熟させ、その上、来たるべき年の芽や花まで、いち早く身うちに創りあげてゆく……いや実に、いそがしいもいそがしいが、また生き甲斐のある、緊張と充実の明け暮れがつづく。
俺たちは山の子で、また太陽の子だ。この半季というものは、お日様が雲海の果てから、七彩の光芒に揺らめき昇って、天頂に跨がる長大な黄道を、白熱に燃え輝かせては、又雲海のかなたへ、真赤にくるめき落ちるまで……俺たちは一条でも多く、その瑞々しい陽光の恵みに浴せんものと、手足を精いっぱいに張りひろげる。しかも時には、焼けつくような日光の矢と、キラめく氷雪の笞とを同時にこうむり、時には又、潮の香のする颱風に乗った豪雨や、はためく雷電をともなう白雨に、たたかれ、洗われ、あおられもする。