轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

春雪写山行「旅」1940(昭和15)年4月<br>黒部川峡谷の話「山岳 第十二年第一号」1918(大正7)年2月<br>枯木の美と怪「国立公園」1952(昭和27)年3月<br>雪山と廃道「山 二巻二号」1935(昭和10)年2月<br>七面山冬ごもりの記「山小屋」1947(昭和22)年<br>黒部川初遡行の追憶「山と渓谷」1939(昭和14)年7月<br>大雪山あれこれ「国立公園」1955(昭和30)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 页

青空文庫

二羽ともそれがあるのを他では見たが。赤斑は何かに驚くと、急に大きくなるようだ。わずかに黒い羽が、雄の翼の裾と尾の下羽に見え、雌の胸にも菱形に四点ばかり軽くうかがえた。啄んでいるのは、雪が風に払われて、苔桃やガンコウランの露出した所で、恐らく芽先きか旧年の果実でも漁るらしい。

大分追い廻した気の毒さ、こちらも疲れたし、ひとまず鳥に別れて池の方へ。雪倉朝日の大岳、雪の衣を着膨れて坐す。乗鞍大池はただ洞然たる雪の大窪。岩蔭の日溜りに、餅など食う。昨日に引きかえ、まったく静かで暖かい。霞の中に立つ浅間の煙さえ、一と筋なびきも乱れもせぬ。ひるから山頂の雪原の真中で、岩上に偃松がわだかまり、かなたに小蓮華から本山の聳える所を描く。小蓮華の北面に、榛か樺か秋の草と雪に伏し、稜線は光の覆輪をかけ、白馬東面の雪庇強い藍影をひく。銀灰の空から注ぐ日光は意外に強く、眼鏡なしでは耐え難い。その代り暑い位で、気がつくと手袋を忘れていた。いびきの声はYが雪の上の昼寝。星烏が一羽飛来して、枯れた声で鳴く。いつの間にか又雷鳥たちが向うの岩蔭に来て、時折りじっとこちらを見ている。