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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
山の人生「アサヒグラフ 第四巻第二号~第五巻第七号」朝日新聞社、1925(大正14)年1月7日~8月12日<br>山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,022 字 · 226 页
『延喜式』の神名帳には、国魂郡魂という類の、神名から明らかに国神に属すと知らるる神々を多く包容しておりながら、天神地祇の区別すらも、すでに存置してはいなかったのであります。
しかも同じ『延喜式』の、中臣の祓詞を見ますると、なお天津罪と国津罪との区別を認めているのです。国津罪とはしからば何を意味するか。『古語拾遺』には国津罪は国中人民犯すところの罪とのみ申してあるが、それではこれに対する天津罪は、誰の犯すところなるかが不明となります。右二通りの犯罪を比較してみると、一方は串刺・重播・畔放というごとく、主として土地占有権の侵害であるに反して、他の一方は父と子犯すといい、獣犯すというような無茶なもので明白に犯罪の性質に文野の差あることが認められ、すなわち後者は原住民、国つ神の犯すところであることが解ります。『日本紀』景行天皇四十年の詔に、「東夷の中蝦夷尤も強し。男女交り居り父子別ち無し云々」ともあります。いずれの時代にこの大祓の詞というものはできたか。とにかくにかかる後の世まで口伝えに残っていたのは、興味多き事実であります。
同じ祝詞の中には、また次のような語も見えます。