轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまのじんせい

山の人生

柳田 国男

山の人生「アサヒグラフ 第四巻第二号~第五巻第七号」朝日新聞社、1925(大正14)年1月7日~8月12日<br>山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,022 字 · 226 页

青空文庫

単に人を悩ます者がおとらであり、おとらは歳久しき狐なることを証明するためならば、それほど力を入れずともよいのであった。おそらくはこれも昔はその話を聴くために、狐を招いてきてもらった名残であって、同時にまた諸国の狸和尚、ないしは常陸坊・八百比丘尼の徒が、或いは自分もまた多くの聴衆と同じく、憑いた生霊、憑いた神と同化してしまって、荘子の夢の吾か蝴蝶かを、差別しえない境遇にあった結果ではないかを考えしめる。

近ごろでも新聞に毎々出てくるごとく、医者の少しく首を捻るような病人は、家族や親類がすぐに狐憑きにしてしまう風が、地方によってはまだ盛んであるが、なんぼ愚夫愚婦でも理由もなしに、そんな重大なる断定をするはずがない。たいていの場合には今までも似たような先例があるから、もしか例のではないかと、以心伝心に内々一同が警戒していると、果せるかな今日は昨日よりも、一層病人の挙動が疑わしくなり、まず食物の好みの小豆飯・油揚から、次には手つき眼つきや横着なそぶりとなり、此方でも「こんちきしょう」などというまでに激昂するころは、本人もまた堂々と何山の稲荷だと、名を名乗るほどに進んでくるので、要するに双方の相持ちで、もしこれを精神病の一つとするならば、患者は決して病人一人ではないのだ。