轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
02 ちげぐさの巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 页
『まことに。かつてのおりは、郎従源五兵衛のことで、深夜、お騒がせいたしました。以来、お父上にも、ごぶさたのままで』
『いや、あのおりの非は、自分らの落度にあることで、仰せられては、面目もありません。――きょうは、義清殿にも、僧正への、さいごのお別れに』
『されば、浅い御縁でしたが、何か、なお会えるものなら、追って行きたいようなお人でした』――いいかけて、ふと、連れをかえりみ、義朝にひきあわせた。
『――平太清盛どのです。お会いになるのは、初めてでしょうか』
『さあ、あるいは、お目にかかっているかも知れませんな。どこかで』
義朝と、清盛とは、相見て、笑った。
どちらも、若人らしい、健康と健康とが、むかい合ったまでで、笑くぼの蔭に、意味はない。
けれど、院の武者所と、外官の検非違使尉という、相互の立場からも、また、平氏の嫡男と、源氏の嫡子という、相似て、しかも対蹠的な境遇からも、横から見ている義清には、この路傍の偶然が、こうふたりの生涯に、これだけのものではないようにながめられた。
『近いうちに、わたくしは、東国へ下って、鎌倉に住むことになりそうです。相模、武蔵に、いささか受領の地もあり、同族どもも、あの地方に多いので。