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にっき
日記
宮本 百合子
11 一九二五年(大正十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页
グーグー、スースー眠って居る。下に来、とやかくして居るうちに目をさまして来る。ゴコク寺で、中外に電話をかけ、事務所にかけようとしたがお話中。ゆく。建築士会にお出かけで留守。電話をかけてくれ、海上デ会い、丸ビル精養軒でスエ子と三人食事す。国府津の話、隠居所の話などする。三時頃スエ子を肴町まで送り小南に渡し、中江さんのところにゆく。長屋門のついた古い、陰気な、活気乏しき家、春江、関、K、いろいろ関さんが主になって話す。生活の苦しいこと、学校のこと、音楽の先生のことなど。女の話、女の話。十一時頃かえる。――但関さんの生活の苦しさについて云ったことの中で忘られない文句アリ。
チャイコフスキーのユーモレスク、フィールドのノクターンをきき動かされた。特にユーモレスクに。
Y、まちかねて居、殆ど不キゲン。私が居ないと、火が消えたようになるらしい。考え、自分、YならYを待ちかねて居てかえって来られるとすぐうれしくなり、待って居た間のいやなことなど忽ち忘れてしまう。Yなど、すぐさっとそう行かない。又これを書き乍ら、考う。自分は今こうしてYの淋しがりを公平に認めて居るが、Aとの生活の間何故それは出来なかったのだろうか。