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にっき

日記

宮本 百合子

15 一九二九年(昭和四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页

青空文庫

金貨引上げてあった。かえって樺太の国境の川使用権とプラチナ山の採掘ケンを貰おうとしたが、国境近いから――海岸線だから駄目。

Sがブローカーだからと云ったと云って彼フンガイする。

呉れないにきまって居るさ。

これを聞いた広さん、Kに話した。

ここには、Sに反対する一派があって広もその一。若しかしたらKがつかえる仕事にかわるかもしれない下心。

Kは、日本民族の海外発展以外進む道がないのを感じて、政府のおかげなどなく、相互扶助的生産をロシアで起したいと云う。日本人を働かして会社をつくって、利益は誰が貰うのか? その点には考え及ばず。

要するに、明声会どまりで、Yが、あなたなんかつまり資本家の仲間ですよ、と云ったら、

だが私は誠心誠意やりますよ、と云った。

性格の面白さ

○私は引上げたものが金なんで、金金と考えて居る人間みたいに思われるが、私位金に淡白な人間はないと思うね。あんたよりきれいな位だ。本当ですよ。

○松屋の食堂のマネージャーが林って東洋汽船時代からの仲間でね、松屋へ行って、

林君居るかい

て女給にきくと、

へ? どの林さんで

――お前んとこの親玉の林君さ