轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

蘭郁二郎『火星の魔術師』。同一底本的分册已合并为一书。收入:火星の魔術師、夢鬼、歪んだ夢、魔像、白金神経の少女、睡魔、地図にない島、宇宙爆撃、蝱の囁き。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 页

青空文庫

白金神経の少女

バー・オパール

日が暮れて、まだ間もない時分だった。

街の上には、いつものように黄昏の遽だしさが流れて、昼の銀座から、第二の銀座に変貌しつつあった。が、この地下の一室に設けられたバー・オパールの空気だけは、森閑として、このバーが設けられて以来の、変りない薄暗さの中に沈淪していた。バー・オパールは昼も夜も、いつもこのように静かで暗かった。

この騒然たる大都会のしかも都心に、このようにポツンと忘れられ、取りのこされているバーがあろうとは――私は、偶然にそのドアを押した瞬間から、そのなんとなく変った雰囲気に、搏たれてしまったのである。

このバーは酒場というよりも応接間、といった方が相応しかった。四坪ばかりの小ぢんまりしたその部屋に、これは又――いささか古くはあったが――一流の豪華サロンに見るような、王朝風の彫刻をもったどっしりした椅子卓子が、ただ投出すように置いてある、そして、それらを広東更紗の電燈笠から落ちる光りが、仄々と浮出さしているのであった。――そういえば、このバーへの入口が、実に妙であった。相当銀座の地理には明るいつもりでいた私も、今日、今さっきはじめて此処を見付けたばかりなのである。