轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

蘭郁二郎『火星の魔術師』。同一底本的分册已合并为一书。收入:火星の魔術師、夢鬼、歪んだ夢、魔像、白金神経の少女、睡魔、地図にない島、宇宙爆撃、蝱の囁き。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 页

青空文庫

一ノ三

彼は用のない時には、何時も、太い丸太が荒縄で、蜘蛛の巣のように、縦横無尽に張りまわされている薄暗い楽屋の隅で、何かぼんやり考えこんでいた。それは少年らしくもない憂欝な、女々しい姿だった。

黒吉は明かに、他の同輩の少年達から

「オイ、こっちへこいよ」

と声をかけられるのを恐れているように見えた。

しかし、それは、単に彼の危惧に過ぎなかった。

他の少年座員達は、誰も、この憂欝な顔をした、芸の不器用な、そして親方におぼえのよくない黒吉と、進んで遊ぼうというものはなかった。(それは恐ろしい団長への、気兼ねもあったろうが)寧ろ彼等は、黒吉の方から話しかけても、決して色よい返事は、しないように思われた。

結局、黒吉はそれをいい事にして、独りぽつねんと、小屋の隅に忘れられた儘、たった一つ、彼に残されたオアシスである他愛もない「空想」に耽っていた。

一ノ三

憂欝な少年黒吉が、何を考えているのか。

――その前に、彼が、なぜ親方のおぼえが悪いのだろうかという事をいわなければならない。

(それは、彼の憂欝性にも、重大な影響のある事だから)

黒吉は、どう見ても、親方の「お気に入り」