轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
そういって、服の内ポケットから取りだした黒いものを、金五郎の掌に乗せた。一挺のピストルであった。
金五郎は、妙な顔をして、
「こりゃあ、一体、どげしたんじゃ?」
「おれが持っとると危いけ、お前にやるとたい」
「おれだって、こんなもんに、用はない」
「実は、金さん、聞いてくれ」新之助は、しんみりした、どこか、さびしげな語調になって、「そのピストルは、大川の時やんから、手に入れたもんじゃ。時やんが、お前の選挙のとき、心配して来とった、あのときに、頼んだんじゃよ。そしたら、炭坑の方で工面して、このごろ、届けてくれた。ブローニングちゅう、新式の六連発でな、小型じゃけ、あんまり離れると当らんけんど、近いときにゃあ、持って来いちゅことじゃ」
「なんで、こんなもんを、時やんに頼んだんじゃ?」
「日若座の無念を晴らしてやろうと、思うたもんじゃけなあ」
金五郎は、返事が出なかった。
ちょっと沈黙した後、新之助は、さらに、さびしげに、自嘲のひびきさえまじえて、
「じゃが、おれは駄目じゃ。もう、人殺しは出来ん。百合香が、さっき、いうとったように、おれは日若座が焼けてからは、たしかに、頭がのぼっとったよ。