轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
瞳の奥のものを読みとろうとする、鋭い眸だった。
金五郎は、なにげない口調で、
「膝をつきあわせて、腹の底を打ち割って話したら、よく、わかってくれたよ。もう、この問題を解決するのには、ストライキしかないということにも、同意してくれてな、……ほら、これに、署名して、判をついてくれた」
内ポケットから、二枚の書類を出して、示した。
それを受けとって読んだ勝則の、疑いぶかそうな表情に気づいて、
「今度は、絶対に、裏切るようなこたない。早いがええけ、明日の早朝からでも、ストライキに入ろう。お前も、労働組合の方を、すぐ、準備にかかってくれ」
金五郎は、狼狽するように、早口で、それだけいうと、逃げるように、会議室に入った。
評議員会が、開かれた。
「明八月二十三日、午前三時を期して、総罷業を決行する」ことが、決定された。
秘密指令が、ただちに、各組に、飛ばされた。二つの組合は、手落ちのないように、準備を整えた。
(もし、今度、共働組が、……いや、友田喜造が裏切ったならば、それこそ、洞海湾はじまって以来の大騒動になる)
このことは、金五郎と、勝則の、そして、組合の幹部の胸のなかに、共通に蟠っていた不安であった。