輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 頁
の――それも江戸ではかなり有名な林崎や、ごろ剣客を、ばたばたっと一人も余さず、たたっ斬って、最後に、女の生首を片手に」
「わかった」
と、兵部は、もう興味がないように、
「それから先は、お察しできる、町方は、飛んだお怪我、はやく、手当をせぬと、この冬風に」
「かたじけない。御免を」
と、二人の同心は、彼にいわれて、急に手傷の痛みと、場合とを、思い出したらしく、何か、囁いて出て行った。
そこに、腰かけたまま、兵部は、手を鳴らして、
「女ども、女ども」
しかし、誰も来なかった。ただ、気のつよい船宿のお内儀だけが、
「は……はい」
と、四阿亭の蔭で、寒さと、恐さに顫えながらも低く答えた。
「お前は、そこにいたのか。――羽織を脱いで、貸してくれい」
「羽織は、着ておりませぬ」
「いかさま……では、いや、あれにある、伊達羽織を」
兵部が、指さしたのは、羽織ではない。小座敷の窓に掛けてある、派手な、女小袖だった。お内儀が、それを外して来て渡すと、
「――頭巾には、ちと、綺麗」
と、呟きながら、ふわりと、後ろへ投げた。
闇が、咥え込むように、小袖はすすすと、丁字の葉蔭へ、うごいて行った。