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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 頁
「あっしゃ、江戸の七で」
「これは初めまして」
「御高名は、雷の如く――」
「お互いに、お初様、何分、よろしくお引き廻しを」
などと、名乗って、
「さて、元の御商売は。また、お年は?」
と、順々に洗ってみると、会わないうちは、自分が一番年下だろうと思っていた仁太郎が、三番目で、羅宇屋煙管の五郎八が、三十一の年頭、江戸の七が二十二、四番目と五番目の鼬と丹三郎が、同じ年の十六だった。
「五人男だ」
と、八百屋の御用聞きでまた掻っ払いの名人、チビの鼬は、英雄じみた昂奮でいった。
初日の出が上る――
五人は、匕首を抜いて、
「さ、兄弟分の盃」
と、二の腕を切り、日の出より赤い血を、啜り合った。
「生きるも死ぬも、一心同体、これからは、お互いに、ケチな小稼ぎは慎んで、日本一の大泥棒になり合おうぜ。なあ兄弟」
「無論だ」
と、仁太郎は、羅宇屋煙管の五郎八に、答えて、
「だが――大泥棒になっただけじゃ、つまらない。何かしなければ」
「するとは」
「人間らしい事をよ。――男と生れた生き甲斐のある事をよ」
「なるほど」
と、みんな腕を拱んだ。
仁太郎は、年上の羅宇屋も、本職の七之助も、土蔵破りは、名人だろうが、頭が低いな――とすぐ嘗めてしまった。