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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁
法皇にも御眉をひらかれた。うるわしい御気色のうちに、御座を立たれた。
院のご門はひらかれ、
「――通れ」
と、ゆるされた。
主従は六騎だった。
義経以下、あわただしく、門外に下馬して、畏る畏る通ってゆく。
中門の外の御車宿の前に、粛として、立ち並んでいた。
法皇は、その骨がらをご覧の上、一同の年齢や姓名、住国などをご下問になって、
「みな若いのう。どれも雄々しき面だましい。恃もしげな益良夫ではある」
と、近側へ仰せになった。
義経主従は、面目をほどこして退出した。そして、当座の兵舎まで戻って来ると、辻々に立ちむらがった民衆は、手をふり声をあげて、彼を歓迎した。
その頃もう、瀬田、石山方面の捷報も洛中に伝わっていた。
義仲の死が、確報されて来たのは、二十三日の晩であった。粟津ヶ原で、今井兼平とわずか二騎となって、あわれな討死をとげたと聞えた時は、何とはなく、戦捷の将士も、儚いものを思わせられた。
宇治川以来、ここ三日二晩というもの、義経以下の将士みな、ほとんど一睡もしていなかった。――で、一夜の眠りは、何よりも大切な急務だった。
ところが、二十五日の朝となると、誰の口からともなく、