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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁

青空文庫

三

――そして入道自身は、これも藤原氏の悪い外戚政策を倣ったものと思われるが――わが妻の妹、建春門院から出ました高倉天皇を擁立し奉って、その高倉天皇の中宮に、女の徳子を納れ、ここに臣下でありながら、天皇の外戚という関係と、武家でありながら政権も握っているという、まったく特殊な位置とを、身に併せ持って来たのであった。

三

必然に、世の人々のそねみは、平家一門の栄華を見て、

(いつかこの反動が)

と、それの来ることを密かに待つようになった。

口に出さないその憎しみはまた、一門の誰彼がした事でも皆、

(入道殿をかさにきて)

と、清盛の罪業に数えたてられてしまうといった風潮であった。

かつて――もうだいぶ以前の事ではあるけれど。

重盛の子の資盛が、往来なかで摂政の藤原基房に出会ったところ、資盛が車から降りて礼をしなかったので、当然、彼より身分の高い摂政家の従者が、

(なぜ、礼をなさらぬか。小松殿のような賢者のご子息でありながら、途上の礼もお弁えない筈はあるまい)

と、咎め立てた。

――それを清盛が聞いて、

(わが孫を往来中で、辱めたのは怪しからぬ)

とて、暴兵を向けて、さんざんに摂政家へ仕返しをした――などという事が、どうした誤りか真しやかに巷間に云い伝えられて、それなども、彼の驕慢の一つに今以て云われているが、事実は、甚だ