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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁

青空文庫

三

「田舎漢っ。斬れるのか」

と、大口あいて笑った。

田舎漢っと、彼が弟を罵った言葉に、彼方で見ていた定綱は、思い当ったものがあるらしく、駈け寄って、

「ひかえろ」

弟を叱った。そして法師に向って訊ねた。

「もしやご僧は、文覚殿ではありませんか」

「文覚はわしだが」

「おお、ではやはり」

「お汝等はどこの者か」

「失礼しました。――盛綱、お詫びせい。高尾の上人でいらせられる」

弟へ、そう責めたが、盛綱は下げる頭は持たないといった顔だ。ただ文覚の面を、見まもっていた。

「わかった」

文覚は急に白い歯を出した。盛綱と聞いたのですぐ察したのであろう。げらげら笑いながら云った。

「さては、お汝等は、蛭ヶ小島にいるとかいう、頼朝の召使だの」

「お察しの通りの者です。佐々木源三が子、太郎定綱、こちらは三郎盛綱というがさつ者でござる」

「端近だ、お上がりあれ」

文覚は、炉へ導いて、自分は先に、その前に坐っている。

「弟、どうする?」

小声で計ると盛綱は、上がれと云うのだから上がろうと云う。

「要らざる強がりをするのではないぞ」

定綱は弟を、小声でたしなめながら、室へ入った。

文覚は、炉へ柴を折りくべていた。