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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁
四
云い終ると、文覚はすたすた去って、待たせてある馬の側へ戻り、やがて芒野の果てに、その姿は、没してしまった。
四
落日の赤い靄のなかへ、黒い点のように遠く消え去った文覚の影を見送っているまに、若人輩の胸には、彼という人間に対する好悪も感情も掻き消えて、彼の残したことばだけが、妙に耳の底に残っていた。
去ってみれば何か淋しく、
「あの僧も一風骨ではあった」
と皆、惜しむもののように、野の果てを見まもっていた。
それから数日の後である。
この日の一群に、またべつな顔をも加えた若人の一団が守山の西麓、願成就院の境内に寄りあっていた。
北条家の御所之内の地域とは、狩野川の引き水の濠一重しか隔てていなかった。
宗時も、その弟の義時も、その晩は来ていた。
この間の会合に見えなかった者では、三浦一族の和田小太郎義盛が、先頃、京都へ使いに上って帰って来たという三浦大介義明の末子、義連をつれて見えていた。
「どんな状況ですか、近頃の京都の有様は?」
人々は、その義連を中心に、こよいの座を囲んでいた。
誰にもあれ、京都の消息を齎す者があれば、若い群は耳をすました。蜂が蜜へ寄るように、新しい情勢の聞える周りへ集まった。