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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

料理当番のほか、総員、砂運び作業にかかったのだ。これには、つぎのような、大きな目的があった。

いったいこの島から、われわれが日本へ帰るのには、どうしたらいいだろう。

――われらの宝物である伝馬船で、ホノルルの港まで行こうか――こんな小さな伝馬船で、太平洋のまんなかを、ホノルルまで、島づたいとはいいながら、千カイリもある航海は、とてもできるものではない。

――では、われわれで、もっと大きな、がんじょうな船をつくろうか――それには船をつくる材料も、道具もないではないか。この計画はゆめのような話だ。

――それでは、日本から来る助け船を、待っていようか――いや、それこそ、まったくあてにならないことだ。

――それなら、この近くを通りかかる船を見つけて、助けてもらったらどうだろう――これならば、運がよければ、できることだ。

この島は、軍艦や商船が通る航路には、あたっていない。しかし、いつ、どんな船が、こないともかぎらない。その通る船を、見のがしてしまったらたいへんだ。それこそ、いつまでもいつまでも、この無人島にとじこめられてはならない。そこで、通る船を見つけるために、見はり番が立つ砂山をつくることにした。