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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 頁

青空文庫

七之助も、一本気なたちで、退く気色もなく、

「仕事の上には、武士も百姓もあったもんか。いい仕事さえすれやいいんだ!」

と、叩きつけるようにいった。

「生意気を申すな、生意気を。学問は進んでおるぞ、近ごろの砲術の進歩をみろ、蒸汽船の発達をみろ。――それを花火だから、古い製法でいいということはない。大砲にせよ、花火にせよ、同じ火術だ」

「よしてくれ、そんな講釈は、戸狩の者あ三ツ児でも知っていらあ」

「知っているなら、なぜ藩から渡してある硝石や薬品を使わんのだ。わざわざ長崎から高価な代金をもって取り寄せた材料をつかわずに、むさい墓場などを掘り返して」

「な、なにをいってやがんでい」

「墓場をあばいて、死人の腐肉から、何をとるつもりなのだ。あきれた愚かな者だ! 貴様は頭が古い!」

「あたりめえだ。おらあ洋学者じゃねえ、煙火師だ」

「三河へ探りにいった者にきいてみい。煙火師でも三州の者は、藩で指導するまでもなく、進んで薬品の調合も洋法を用い、硝石などはみなイギリスものを買い込んでいるというたぞ」

「向うは向う。こっちはこっちだ。なにも真似をするこたあねえ。第一おらあ毛唐のものは嫌えだ。