輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 頁
親方の米櫃も空だとみえる。――左次郎はそんなことを考えながら、銅鑼という通称をとった彼の菊花石を眺めていた。
「失礼だがお前さん、何か、敵討でも望んでいる身の上じゃないのか」
急に声をひそめられて、左次郎はいよいよ慌てながら、
「飛んでもない、決して、左様な者じゃございません」
「だが、お侍のお伜だろう?」
「はい、そりゃあ」
「幾つ? お年は」
「十九でございます」
「その青白い蒲柳な体で、日傭取稼ぎはこてえましょう。うちの部屋へ来てまだ二月くらいだろうが、たとえ二月の間にしろ、よく働いたもんだと感心する。またその辛抱は、何か希望がなければ出来ない芸だとおれは思うが……」
左次郎は畳のチリをむしっていた。
垢のついた仕事着にちょッ切帯、身なりはひどいが、襟元の奥が肌白く見えて、この寄子部屋ではどうしても掃溜に鶴。
「ほかの事情ならなおのこと、打明けても差しつかえあるまい。ろくな力にもならない癖に、江戸の人間の悪い性分で……どうも聞かずにいられない」
「では親方、ほかの者には、内緒にしておいて下さいまし」
「だれが、他人になんぞ話すもんか」
「実は少し、尋ね物があって、殿様からお暇を戴いて来た体でございます」