輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁

青空文庫

から、牛若はまったく孤独になっていた。

誰に語るよしもない――その孤独感と絶望の底に沈んでいたところへ、吉次が人目を忍んでは、囁きに来たのである。――少年の気もちは当然、夢に富む方向へうごかされた。

それに、「東国」ということばは、幼少から心に刻みこまれている。そこにはまだ源氏の輩が多くいるという。また、富士山があって、駿馬が多く産まれて、野は際涯もなく広いという。

(――今に東国へお迎え申しあげますぞ)

とは、鞍馬谷の人々からも、明け暮れ聞いていた声である。

日出る東国!

牛若は日の出るたびに、あこがれていた。――月の落ちる頃には都の母のことを、きっと思い出すように。

わざと遠くを廻って、西加茂の大悲山、満樹峠をこえ、応ヶ峰へ出て、やがて夜も白みかける頃、吉次と牛若は、京都の北から町へまぎれ入った。

「おい、起きろ、起きないか」

まだ朝霧も暗い六条坊門の白拍子の翠蛾の家の前に立って、吉次は、門をたたいていた。

二

この家には、吉次の部屋といってもよい程、彼が見える時だけ使われる一棟があった。

中庭の渡り縁から通うのである。母屋に面したほうは壁囲いになっているので、寝ころんでいようと、飲んでいようと、誰にも顔を見られる惧れもない。