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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁
――なおこの熱田の宮の神さまは、日本武尊をお祀りしたものとも聞いていますので、日頃より崇い尊ぶ御神の御前にて、初冠ないたすこと、男冥加ぞとも思ったりして参りました」
「では、しばらく」
若い神主は、自分の一存ではゆかないらしく、そう云いおいて、奥へかくれた。
ややあってまた、そこに現れ、
「お上がりあれ」
と、拝殿の床に、青い藺筵を敷きのべ、牛若を坐らせた。
御神灯をともし、神酒を奉りもう一人の神官と二人して、のりとをあげた。そして牛若の頭上に烏帽子を与えた。その紐も、神官がむすんでくれた。
榊枝で、牛若の体をはらった。颯々と、白い注連と緑の風にはらわれて、牛若は何かしら体がぞくとした。
奥ふかい御鏡の影を、きっと見つめて、
「われを男となし給ううえは、われに御神のこころと力の影なりともうつし給え」
と心に祷った。
「ありがとう存じました」
土器の神酒をいただいて三方へ返し、いんぎんに礼を云って立ちかけようとした折、ここの大宮司らしい老人は、ひとりに衣服をのせた三方を持たせ、自身は太刀を載せた三方をささげて、静かに、彼方の渡り廊からこれへ向って歩いて来た。