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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《源頼朝(みなもとよりとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 頁
その翌日、朝議は一変して平家追討となった。紛論は排されて、最初の方針が、ふたたび明示されたわけである。
義経の出発は早かった。
余り早いので、範頼は、
「院宣もこうむらぬうちに、私に兵をすすめ、万一、朝議のご決定にそむくようになったら、何とする心であったか」
と、後に義経をなじった。
しかしその範頼も、院宣をうけては、義経のあとを追って、義経の軍に合流しなければならなかった。
先鋒の義経は、丹波路をとって亀岡から園部、篠山と通過し――篠山から西南の三草越えをさして急ぎに急いでいた。
三草山をこえて、播磨境にはいり、印南野を南へ南へと下がってゆくと、やがて、馬蹄の下に、一ノ谷がのぞかれる。
もちろんこういう大迂回は、大軍ではできない。彼の腹心とその手勢だけである。範頼の本軍は、行動をべつにとって、一ノ谷の東の城戸口、生田方面へ進んでいた。
「一ノ谷へ総攻めは、二月三日ぞ。――三日を期して、総がかりに攻めつぶすのだ」
義経は、そう揚言した。
二日の道を一日に歩くほどな強行軍をつづけながら、道々そう云って、士卒を励ました。
けれど、その三日には、総攻撃もなかった。