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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁
「できない相談は、いわない約束だよ」
「しかし、引っぱると仕事はらくだな。そうだ、いいことがある」
練習生の浅野が、正覚坊の甲をあおむけにして、索をつけ、これに砂を山もりにして、三人で引く、代用車を考えだした。
こんなことをして、三日、四日と、こんきよく働いた。みんな、気もちのわるいおなかをさすって、うんうんうなりながらも、
「人間さまだよ、蟻にまけるな」
と、たがいにはげまし合った。
小笠原老人は、おなかの痛さに、とうとうへたばってしまった。しかし、口だけは、あいかわらずたっしゃだ。砂にどっかり腰をおろして、手まねをしながら、しゃべっている。
「さあ、さあ、わかい連中は、砂を運んだ、運んだ。お山ができたら、そのてっぺんに、おいらが立つね。そうしていちばん先に、帆を見つけるのだ。いい声でどなる。
帆だよう。船だあ。
するとおまえたちが、飛び出してくる。まっ白い帆をかけた、まっ白い船が、島へちかよって、ボートをおろすね。ぐんぐん漕いでくる。おなかがへっているだろうといって、ミルクとバターとお砂糖の、うんとはいったビスケットを持ってくるね。まあ、こんなもんだ。