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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

線上閱讀須川 邦彦《無人島に生きる十六人(むじんとうにいきるじゅうろくにん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 100,616 字 · 201 頁

青空文庫

どうなることかと、たいそう心配したが、とにかく、砂山は早くつくらなければならない。みんな、元気をだして、作業にとりかかった。

ひどい下痢にかかっているので、気ははっているが、力が出ない。一、二度運んでは、しばらく休まないと動けない。そして汗がでて、のどがかわいて、水が飲みたい。水は、やっと飲めるくらいの井戸水しかない。その井戸水で、おなかをわるくしたのだ。

飲み水の不自由は帆船には、つきものであった。昔から船の人は、大海のまんなかで、ずいぶん水にこまって、いろいろのことをした。のどがかわいても水のないときは、着物をぬらして、皮膚から水分をすいこませたり、また小石を口にふくんだり、鉛をなめたり、とうがらしを少しずつかむと、一時は、のどのかわきがとまるといい伝えている。

それで、われら十六人も、漁業長が、つり糸につけるおもりにしようと持ってきた、うすい鉛の板をなめては、砂を運んだ。

仕事は、ちっともはかどらない。工事をはじめてから、二日めになった。

「ちりもつもれば山だ。いまに高い砂山ができるぞ」

「重いと、よけいにつかれるから、少しずつ運ぼう」

「車があるといいなあ」