Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,082 characters · 257 screens
「飛んでもない、そんな大外れた者があるわけはございません、皆んな良い方々ばかりで」
「もう一つ、佐渡屋の跡取りは誰になるだろう。親類方や店の者は、依怙があっていけない、鳶頭は毎日のように出入りして居る様子だから、その辺の匂いがわかると思うが――」
「そんな立入ったことは、あっしにわかる道理はございませんが、はたから見たところでは、御養子の品吉さんか、二番目のお嬢さんの、お信さんあたりが相続することになりましょう、もっとも――」
「?」
「あの掛り人のお夏さんが、先代の旦那様の隠し子で、お絹さんお信さんの姉さんに当るということも、御当人のお夏さんの外に、二、三人知っている方もありますが」
「鳶頭もそれを知って居たのか」
「へ、へ、内緒事というものは、何処からともなく知れるもので、それを知らなかったのは、今朝亡くなった内儀さんと、お絹さんお信さん位のものでしょうよ」
「それは驚いたな」
「もっとも、いざとなると、お夏さんが跡取りでは、親類方が承知しないかもわかりません」
「養子の品吉の評判はどうだ」
「亡くなった大旦那は、日本一の目ききでしたよ、あんな結構な養子は江戸中にも三人とありますまい」