Japanese reading practice

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,082 characters · 257 screens

Aozora Bunko

「何が大笑いだ」

「寺の納戸の中へ、メチャ/\に縛られた上、猿轡まで噛まされて、二人仲よく投り込まれて居ましたよ」

「寺に居るのはそれっ切りか」

「まだ外に、釜吉という五十年配の寺男が居ますが、門跡前まで使に出て居たそうで、ぼんやり帰って来たところを、三輪の万七親分に縛られてしまいましたよ」

「門跡前へ何んか用事があったのか」

「春徳寺は貧乏寺で、ろくな用意もないから、三千両という大金持参の大檀那の接待に、門跡前の知合の寺へ道具を借りに行ったんだそうで、膳箱を背負って、碗を十人前、皿小鉢を一と箱両手にブラ下げては居ましたが、あのなりじゃ三千両は盗めそうもありませんね」

「――」

「もっともあっしがそう言ってやると――出直すという手があるぜ、無駄は言わねえものだ――と三輪の親分は大きな眼を剥きましたよ」

「ところで、お前はどんな切っかけで、山谷あたりへ行ったんだ」

平次の問は当然でした。向う柳原に住んでいる八五郎が、山谷のニュースを拾って来るのは、少し時間が早過ぎます。

「ヘッ、ヘッ、あの娘の顔を見に行きましたよ」

「誰だ、あの娘てえのは、羅生門河岸あたりに、又筋のよくねえのを拵えたのか」