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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,082 characters · 257 screens

Aozora Bunko

「忍び返しの上に居る人間を突くのは六つかしいぜ、それに、うんと返り血を浴びるわけだが、竹童の家を捜して見たことだろうな」

「年寄の雇婆さんと二人暮しですが、血の付いたものなんかありゃしませんよ、いずれあれから三日も四日も経って居ることだから、自分で始末したことでしょう」

「兎も角、腑に落ちないことだらけだ。あれから五日もお前はジッとして、三輪の親分のすることを、見て居たわけじゃあるめえ、調べただけを、皆んなブチまけてみな」

「随分骨を折りましたよ、五日の間というもの、夜の眼も寝ずに――」

「嘘を吐きやがれ」

「夜は思う存分寝ましたが、陽のあるうちからは随分働いた積りで――」

「第一番にどんなことに気が付いたんだ」

「江島屋の娘――お艶という女は、見れば見るほど綺麗だということですよ」

「それっ切りか」

「その綺麗なのが抑々間違いの因で」

「そも/\と来やがった、近頃はどうも、お前の話を聴いて居ると、学が邪魔をしてならねえ」

「でもね、親分、あんな良い美女の娘は、ザラにある代物じゃありませんよ」

「美女の娘は嬉しいな、そいつも学のせいだろう」

「色白――と言ったって、あんな底光りのする色白は滅多にありませんよ、白羽二重に紅絹を包んで銀の粉をまぶしたような色だ、眉がボーッと霞んで、眼が大きくて、妙に素気ない癖に情愛を含んで、目元の可愛らし