Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Read 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 244,473 characters · 487 screens
が点々と眺められる。
またこの地方には川や沼が多く、枯れた芦荻や裸になった苅田には、鴨、雁、鷺などが群をなして、やかましく飛び立ったり、舞いおりたりしていた。
境を出て二里ばかり来たときである。少しまえから吹きだした風で、乾いている道にはしきりに埃が立っていたが、その土埃といっしょに、向うから十人ばかりの一団が近づいて来た。
――なんだろう。
ほぼ十人ぐらいが一団となっていた。隊を組んでいるように見えるので、本能的に警戒する気持になり、道の岐れているところで、かれらをやり過そうとした。
一団の人たちは、巻きあがる土埃のために、見えたり隠れたりしながら、近よって来た。
かれらの中につく棒やさす叉や、六尺棒を持ったのがいた。明らかに捕方の役人たちらしい。万三郎は反射的に笠で顔を隠し、いま自分の立っている枝道へそのままそれてゆこうとした。が、とつぜんぎょっとしたように振返った。それは、その一団の中に、縛られている一人の侍がいるのを、認めたと思ったからであった。
眼の誤りかもしれない。ごくさりげなく、すばやく振返ってみたが、殆んど同時に叫びそうになった。