Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Read 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 244,473 characters · 487 screens
ことでございます」
「それは調べている事に関係があるんですね」
「そう思うよりほかにございません、そして一昨日の夜のことですけれど、わたくしが呼ばれまして、この包を預けられ」
とつなは風呂敷包をそこへ差出した。
――これを持ってぬけ出せ。
休之助はそう云って、屋敷の不浄口からつなを脱出させた。そこには舟がまわしてあり、つなはそれに乗せられて、本所二つ目の村田という家へ伴れてゆかれた。
「兄もいっしょでしたか」
「いいえわたくしだけでしたの、舟を漕いでいったのは船頭のようでもあり、侍のようでもありました」
村田というのはどういう関係なのか、武家か町人かもわからなかった。寮のような造りの洒落れた家で、老人夫婦だけしかいなかった。つなはその家で不安な一夜を明かした。彼女にはこれからどうなるのか、まるで五里霧中だったし、老人夫婦もなにも云わなかった。
「でもわたくし時間がございませんわ」
とつなは気がついたように、膝をすべらせながら云った。
「あなたにこれを預かって頂くためにまいりましたの、わたくし家のほうのようすを知りたいと思いますし、この品を持っていてもし間違いがあるといけませんから」