Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Read 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 244,473 characters · 487 screens

Aozora Bunko

かれらの道次はひどく緩慢で、朝十時に宿を発し、午後三時には宿に泊った。そうして小山の駅で日光街道をそれ、下総の結城へ入って荷を解いた。

――自分はいま結城の町の葛西屋という宿にいる、荷を解いたからには、この付近になにかあると思うので、怠らず監視しているが、誰か二人ばかり至急に援助に来てもらいたい。

そういう文面であった。

「誰かにすぐいってもらわなければならない」

徹之助がみんなを見た。

「万三郎をやりたいと思うが」

「三郎はどうしたんです」

休之助が眼を尖らせた。徹之助はあいまいに口を濁した。仲の良いくせに、この二人の弟はすぐ喧嘩をするのである。無断で出歩いているなどと知ったら、休之助は癇癪を起こすにきまっているので、徹之助はうっかりしたことは云えなかった。

「三郎もやるが、事情が急を要するから、この中で誰か一人すぐに出立してもらいたいのだ」

「私でよければまいります」

斧田又平が云った。休之助のほうがゆきたいらしい、義妹のつなの身が案じられるばかりでなく、なに事もひとまかせにできない性分だった。しかし徹之助は先手を打った。

「休之助にはほかに担当してもらうことがあるから、では斧田に頼むとしよう」