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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

四十七

停車場には、日光帰りとみえる、紅色をした西洋人の姿などが見えた。

「とてもこんな大きなんじゃない」壮太郎は、長く沁込んだその町の内部の生活を憶出していると云う顔をして笑った。その土地では、壮太郎はもう可也色々の人を知っていた。

「どこを見ても山だからね。でも住なれてみると、また面白いこともあるのさ」

汽車は段々山国へ入っていった。深い谿や、遠い峡が、山国らしい木立の隙間や、風にふるえている梢の上から望み見られた。客車のなかは一様に闃寂していた。

四十七

車窓に襲いかかる山気が、次第に濃密の度を加えて来るにつれて、汽車はざッざッと云う音を立てて、静に高原地を登っていった。鬱蒼とした其処ここの杉柏の梢からは、烟霧のような翠嵐が起って、細い雨が明い日光に透し視られた。思いもかけない山麓の傾斜面に痩せた田畑があったり、厚い薮畳の蔭に、人家があったりした。

その町へ着くまでに、汽車は寂しい停車場に、三度も四度も駐った。東京の居周に見なれている町よりも美しい町が、自然の威圧に怯じ疲れて、口も利けないようなお島の目に異様に映った。

「へえ、こんな処にもこんな人がいるのかね」