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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

二十八

「それに自分の着物を畳みもせずに、脱っぱなしで寝て了うなんて、それだから御父さんも、この身上は譲られないと言うんじゃないか」

剛情なお島は、到頭麺棒で撲られたり足蹴にされたりするまでに、養父の怒を募らせてしまった。

二十八

植源という父の仲間うちの隠居の世話で、父や母にやいやい言われて、翌年の春、神田の方の或鑵詰屋へ縁着かせられることになったお島は、長いあいだの掛合で、やっと幾分かを養家から受取ることのできた着物や頭髪のものを持って、心淋しい婚礼をすまして了った。

植源の隠居の生れ故郷から出て来て、長いあいだ店でも実直に働き、得意先まわりにも経験を積み、北海道の製造場にも二年弱もいて、職人と一緒に起臥して来たりした主人は、お島より十近くも年上であったが、家附の娘であった病身がちのその妻と死別れたのは、つい去年の秋の頃だと云うのであった。

鶴さんというその主人を、お島の姉もよく知っていた。神田の方のある棟梁の家から来ている植源の嫁も、その主人のことを始終鶴さん鶴さんといって、噂していた。植源の嫁は、生家の近所にあったその鑵詰屋のことを、何でもよく知っていたが、色白で目鼻立のやさしい鶴さんをも、まだ婿に直らぬずっと前から知っていた。