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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

五十二

女の囲われている町では、馬蹄や農具を拵えている鍛冶屋が殊に多かった。

「おかなさんが、こんな処によくいられたもんだ」お島は不思議に思ったが、それでも女のいるところは、小瀟洒した格子造の家であった。家のなかには、東京風の箪笥や長火鉢もきちんとしていた。

五十二

けれど、そうしてちょいちょい往ってみる、お島の目に映ったところでは、おかなは兄の思っているほど気楽な身分でもなかった。おかなの話によると、鉱敷課とやらの方に勤めて、鉱夫達と一緒に穴へ入るのが職務であるその旦那から、月々配われる生活費と小遣とは、幾許でもなかった。もと居た市の方では、誰も知らないもののない壮太郎との情交が、鉱山の人達の口から、薄々旦那の耳へも伝わってから、金の受渡しが一層やかましくなって、おかなはその事でどうかすると旦那と豪い喧嘩を始めることすらあった。夏の頃から、山間の湯に行ってみたり、市の方の医者へ通っていたりしていたおかなの体は、涼気が経つに従って、いくらか肉づいて来たようであったが、やっぱり色沢が出て来なかった。それに何方を向いても、山ばかりのこの寂しい町で、雪の深い長い一冬を越すことは、今まで賑かな市にいたおかなに取っては、穴へ入るほど心細い仕事であった。