Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
五十一
お島は時々炉端で差向いになることのある、浜屋の若い主人のことなどを思っていた。T――市から来ていた、その主人の嫁が、肺病のために長いあいだ生家へ帰されていた。
五十一
お島が楽みにして世話をしていた植木畠や花圃の床に、霜が段々滋くなって、吹曝しの一軒家の軒や羽目板に、或時は寒い山颪が、凄じく木葉を吹きつける冬が町を見舞う頃になると、商売の方がすっかり閑になって来た壮太郎は、また市の方へ出て行って、遊人仲間の群へ入って、勝負事に頭を浸している日が多かった。
持って行った植木の或者は、土が適わぬところから、お島が如何に丹精しても、買手のつかぬうちに、立枯になるようなものが多かったが、草花の方も美事に見込がはずれて、種子が思ったほどに捌けぬばかりでなく、花圃に蒔かれたものも発芽や発育が充分でなかった。壮太郎はそれに気を腐らして、この一冬をどうしてお島と二人で、この町に立籠ろうかと思いわずろうた。
山にはもう雪が来ていた。鉱山の方へ搬ばれてゆく、味噌や醤油などを荷造した荷馬が、町に幾頭となく立駢んで、時雨のふる中を、尾をたれて白い息を吹いているような朝が幾日となく続いた。