Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
四十二
「私が暴れて打壊したようなもんですの。あの人はまたどうして、あんなに気が多いでしょう。些いと何かいわれると、もう好い気になって一人で騒いでいるんですもの。その癖嫉妬やきなんですがね」
「でも能く思切って了ったわね」
「芸者や女郎じゃあるまいし、いつまで、くよくよしていたって為方がないですもの。私はあんなへなへなした男は大嫌いですよ」
「それもそうね。――私も思切って、どこか働きに行きましょうかしら」
「御笑談でしょう。そんな可愛い坊ちゃんをおいて、何処へ行けるもんですか」
四十二
夜になると、お島はまた隠居の足腰をさすって、寝かしつけてやるのが、毎日の日課であったが、時とすると子息夫婦に対する、病的な嫉妬から起るこの老婦の兇暴な挙動をも宥めてやらなければならなかった。
四十代時分には、時々若い遊人などを近けたと云う噂のある隠居は、おゆうが嫁に来るまでは、幼い時から甘やかして育てて来た子息の房吉を、猫可愛がりに愛した。一度脳を患ったりなどしてから、気に引立がなくなって、温順しい一方なのが、彼女には不憫でならなかった。房吉は植木屋の仕事としては、これと云うこともさせられずに日を送って来たが、始終家にばかり引込んで、母親の傍に率つけられていたので、友達というものもなかった。