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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

九十九

お島は可恥しい自分の秘密な経験を押隠すことを怠らなかった。

暑い盛に博覧会が閉されてから、お島たちの居周の町々には、急に潮がひいたように寂しさが襲って来たと同時に、二人の店にもこれまで紛らされていたような、頽廃の色が、まざまざと目に見えて来た。

多くの建物の、日に日に壊されて行く上野を、店を支えるための金策の奔走などで、毎日のようにお島は通った。やがてまた持切れそうもない今の家を一思いに放擲して了いたいような気分になっていた。

「ここは縁起がわるいから、私たちはまたどこかで新規蒔直しです」

ここへ引移って来てから、貸越の大分たまって来ている羅紗の仲買などに、お島は投出したような棄鉢な調子で言っていた。

九十九

本郷の通りの方で、第四番目にお島たちが取着いて行った家を、すっかり手を入れて、洋風の可也な店つきにすると同時に、棚に羅紗などを積むことができたのは、それから二三年もたって、店の名が相応に人に知られてからであったが、最初二人がそこへ引移っていった時には、店へ飾るものといっては何一つなかった。

愛宕時代に傭ったのとは、また別の方面から、お島が大工などを頼んで来たとき、二人の懐ろには、店を板敷にしたり、棚を張ったりするために必要な板一枚買うだけの金すらなかったのであったが、新しいものを築き創めるのに多分の興味