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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

百五

百五

忙しいその一冬を自転車に乗づめで、閑な二月が来たとき、お島は時々疑問にしていながら、診てもらうのを厭がっていた、自分の体をふとした機会から、病院で医者に診せた。

「……毛がすっかり擦切れてしまったところを見ると、余程毒なもんですね」

お島はそう言って、そこを小野田に見せたりなどしていたが、それはそれで真の外面の傷害に過ぎないらしかった。

その病院では、お島の親しい歯科医の細君が、腹部の切開で入院していた。そこへお島は時々見舞に行った。

そんなところへも自分の商売を広告するつもりで、看護婦や下足番などへの心づけに、切放れの好いお島は、直に彼等とも友達になったが、一二度体を診てもらううちに、親しい口を利きあう若い医師が、二人も三人もできた。

段々肥立って来た、売色あがりの細君の傍で、お島は持って行った花を花瓶に挿したり、薄くなった頭髪に櫛を入れて、束ねてやったりして、半日も話相手になっていた。

「どう云うんでしょう、私の体は……」

お島は看護婦などのいる傍で、いつかも印判屋の上さんに訊ねたと同じことを言出した。

「夫婦の交際なんてものは、私にはただ苦しいばかりです。