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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

百七

そうして二人は暫く甘い疲労に浸りながら、黙って壁の隅っこに向きあって坐っていた。

百七

二人が階下へおりていったのは、もう電燈の来る時分であった。病院通いをするようになってから、可恐しいものに触れるような気がして、絶えて良人の側へ寄らなかった彼女は、その時も二人の肉体に同じような失望を感じながら、そこを離れたのであった。

「あなたは別に女をもって下さい」

お島はそう言って、根津にいた頃近所の上さんに勧められて、小野田が時々逢ったことのある女をでも、小野田に取戻そうかとさえ考えていた。

「そうでもしなければ、とてもこの商売はやって行けない」お島はそうも考えた。

産れが好いとかいわれていたその女は、ここへ引越してからも、一二度店頭へ訪ねて来たことがあったが、お島はそれの始末をつけるために、砲兵工廠の方へ通っている或男を見つけて、二人を夫婦にしてやったのであった。

小野田がどうかすると、その女のことを思い出して、裏店住いをしている、戸崎町の方へ訪ねて行くことを、お島もうすうす感づいていた。

「あの女はどうしました」

お島は思出したように、それを小野田に訊ねたが、その頃は食物屋などに奉公していた当座で、いくらか身綺麗にしていた女は、亭主持になってからすっかり身装などを崩しているのであった。