Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
十二
あの阿母さんの手にかかっていたら、お前は産れもつかぬ不具になっていたかも知れないよ」おとらはそう言って、生みの親の無情なことを語り聞かせた。
十二
近所でも知らないような、作とお島との婚礼談が、遠方の取引先などで、意いがけなくお島の耳へ入ったりしてから、お島は一層分明自分の惨な今の身のうえを見せつけられるような気がして、腹立しかった。そしてその事を吹聴してあるくらしい、作の顔が一層間ぬけてみえ、厭らしく思えた。
「まだ帰らねえかい」そう言って、小さい時分から学校へ迎えに来た作は、昔も今も同じような顔をしていた。
「外に待っておいで」お島はよく叱りつけるように言って、入り口の外に待たしておいたものだが、今でも矢張、下駄に手をふれられても身ぶるいがするほど厭であった。
婚礼談が出るようになってから、作は懲りずまに善くお島の傍へ寄って来た。余所行の化粧をしているとき、彼は横へ来てにこにこしながら、横顔を眺めていた。
「あっちへ行っておいで」お島はのしかかるような疳癪声を出して逐退けた。
「そんなに嫌わんでも可いよ」作はのそのそ出ていった。
作の来るのを防ぐために、お島は夜自分の部屋の襖に心張棒を突支えておいたりしなければならなかった。