Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
二十一
おとらと三人でいる時でも、青柳はよくめきめき娘に成ってゆくお島の姿形を眺めて、おとらに油断ができないと思わせるような猥な辞を浴せかけた。
作太郎はというと、彼も今日は一日一切の仕事を休ませられて、朝から床屋へいったり、湯に入ったりして冶していた。そしてお島の顔さえみるとにこにこして、座敷へ入って、ごたごた積重ねられてある諸方からの祝の奉書包や目録を物珍らしそうに眺めていた。
頼んであった料理屋の板前が、車に今日の料理を積せて曳込んで来た頃には、羽織袴の世話焼が、そっち行き此方いきして、家中が急に色めき立って来た。その中には、始終気遣わしげな顔をして、ひそひそ話をしている西田の老人もあった。
「今夜遁出すようじゃ、お島さんも一生まごつきだぞ。何でも可いから、己に委して我慢をして……いいかえ」
箪笥に倚りかかって、ぼんやりしているお島の姿を見つけると、老人は側へよって来て力をこめて言聴かせた。
二十一
お島が、これも当夜の世話をしに昼から来ていた髪結に、黒の三枚襲ねを着せてもらった頃には、王子の父親も古めかしい羽織袴をつけ、扇子などを帯にはさんで、もうやって来ていた。