Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
それらの人の話によると、安心して世帯を譲りかねるような挙動がお島に少くなかった。金遣いの荒いことや、気前の好過ぎることなどもその一つであった。おとらと青柳との秘密を、養父に言告けて、内輪揉めをさせるというのもその一つであったが、総てを引括めて、養家に辛抱しようと云う堅い決心がないと云うのが、養父等のお島に対する不満であるらしかった。
「だから言わんこっちゃない。稚い時分から私が黒い目でちゃんと睨んでおいたんだ。此方から出なくたって、先じゃ疾の昔に愛相をつかしているのだよ」母親はまた意地張なお島の幼い時分のことを言出して、まだ娘に愛着を持とうとしている未練げな父親を詛った。
「こんなやくざものに、五万十万と云う身上を渡すような莫迦が、どこの世界にあるものか」
太てていて、飯にも出て来ようとしないお島を、妹や弟の前で口汚く嘲るのが、この場合母親に取って、自分に隠して長いあいだお島を庇護だてして来た父親に対する何よりの気持いい復讎であるらしく見えた。
お島も負けていなかった。母親が、角張った度強い顔に、青い筋を立てて、わなわな顫えるまでに、毒々しい言葉を浴せかけて、幼いおりの自分に対する無慈悲を数えたてた。