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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

お島は暇さえあると、髪を結ったり、リボンをかけてやったり、寝起や入浴や食事の世話に骨惜みをしなかった。

嫁にやられるとき、拵えて行ったものなどを不残亡くして、旅費と当分の小遣にも足りぬくらいの金を、少ばかりの家財を売払って持って来た姉は、まだ乳離れのせぬ小い方の男の子を膝にのせて、時々縁側の日南に坐りながら、ぼんやりお島の働きぶりを眺めていた。

「能くそんなに体が動いたもんだわね」

姉は感心したように言をかけた。お島は襷がけの素跣足で、手水鉢の水を取かえながら、鉢前の小石を一つ一つ綺麗に洗っていた。夏中縁先に張出されてあった葭簀の日覆を洩れて、まだ暑苦しいような日の差込む時が、二三日も続いた。

「ええ、子供の時分から慣れっこになっていますから」お島は笑いながら応えた。

「子供を産んだ人とは思われないくらいですよ」

「だって漸う七月ですもの。私顔も見ませんでしたよ。淡白したもんです」

「それにしたって、旦那のことは忘れられないでしょう」

「そうですね。がさがさしてる癖に、余り好い気持はしませんね」

「矢張惚れていたんだわね」

「そうかも知れませんよ」お島は顔を赧めて、