Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
「それじゃ私少し捜して来ましょう」
お島が近所の知った家を二三軒訊いて歩いたり、姉の家へ行ってみたり、途中で鶴さんや大秀へ電話をかけたりしてから、漸う帰って来たのは、もう大分夜が更けてからであった。
「安心していらっしゃい」お島は房吉の部屋へ入ると、せいせい息をはずませながら言った。「おゆうさんは大丈夫大秀さんにいるんですよ」
お島が、大秀へ電話をかけたとき、出て来て応答をしたのは、おゆうには継母にあたる大秀の若い内儀さんであった。
おゆうが俥で飛込んでいった時、生家ではもう臥床に入っていたが、おゆうはいきなり昔し堅気の頑固な父親に、頭から脅しつけられて、一層突つめた気分で家を出た。鶴さんに着物を融通したり何かしたと云うことが、植源へ片着かない前からの浮気っぽいおゆうを知っている父親には、赦すことのできぬ悪事としか思えなかった。
おゆうが帰って来たとき、お島は自分の寝床へ帰って、表の様子に気を配りながら、まんじりともせず疲れた体を横えていた。
帰って来たおゆうが、一つは姑や父親への面当に、一つは房吉に拗ねるために、いきなり剃刀で髪を切って、庭の井戸へ身を投げようとしたのは、その晩の夜中過であった。